尾張七宝が京都や東京の七宝と比べて特徴的なものとして大型の七宝を得意としていたことが挙げられます。花瓶にしても高さ3尺(約90cm)などは普通で、5尺(約150cm)のものがよく作られ、皿も直径2尺から3尺(約60cm~90cm)のものがあります。一方、京都の帝室技芸員並河靖之は小型の七宝をよく作り国内外に知られていましたが、尾張でも小型で細密な七宝は得意とするところでした。ここでは大型の七宝と小型の七宝それぞれの特長を紹介して日本の七宝のすばらしさを知っていただくことを目的としました。館蔵品のほか、岐阜県美術館、清水三年坂美術館、名古屋市博物館や個人のコレクターのかたの所蔵品を出展しました。(2009年刊)