林小傳治は遠島(あま市七宝町遠島)の七宝窯元で、明治時代初期より活躍した人物です。尾張七宝の中心的人物として国内外に広く知られています。この資料集では、小傳治が明治35年に緑綬褒章を受けるための申請書類に資料として添付した業績を記した書類等の内容を収めています。小傳治が横浜の外国人に初めて七宝を売りに行ったときの苦労が書かれた「履歴書」や、同時代に東京で活躍した同郷の塚本貝助よりもすぐれていたことを強調した「林小傳治ハ塚本貝助ニ対シ本業ニ就テ年代ノ前後及ヒ効績ノ優劣」という文章などが面白い内容です。