七宝は銅板などの金属をベースにして作るというのが通常の説明内容ですが、明治の前期までは陶磁器を素地としてつくられる七宝が数多くありました。これらの素地は同じ県内の瀬戸やその隣接地である美濃地域で作られたものです。明治初期には盛んにつくられて、各種博覧会にも出品されましたが、やがて急速に廃れてほとんど作られなくなりました。陶磁胎七宝の名品やその歴史を紹介しました。
出品作品は、愛知県陶磁資料館(当時)・瀬戸市美術館・名古屋市博物館のほか多くの個人コレクターの方々の所蔵品をお借りしました。(2009年刊)